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スーツ生地の正しい見分け方&おすすめブランド紹介

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スーツは、ビジネスマンにとっては重要なアイテムです。

ちょっとした違いでだらしなく頼りなく見えたり、出逢った人から一目置かれる最高の印象を与えることも可能です。

スーツで重要な要素はいくつかありますが、初心者の方が最もわかりづらいものと言えば「スーツの生地」では無いでしょうか?

生地選びは、オーダースーツを作る時にはもちろんですが、既製品のスーツを選ぶときにも大事な項目です。

この記事では、「スーツでおすすめの生地」について、プロの目線でご紹介していきます。

  • どんな生地がいいのか?
  • どんな生地がダメなのか?
  • おすすめの生地ブランドは?

初心者の方がわかりやすいように、専門用語などを極力使わず重要なポイントだけをまとめました。

この記事を読めば、スーツの生地選びについての疑問や悩みは、ほとんど解消されます。

ぜひ、オーダースーツの作成やスーツ購入時にお役立てください。

スーツの生地の種類「産地」

スーツで主に使われている生地は、大きく分けて3種類あります。

  1. 国産
  2. イタリア産
  3. イギリス産

これらの産地が代表的な3つです。

各産地の特徴を解説致します。

コストパフォーマンスに優れた「国産」スーツ生地

  • メリット:低価格、機能性に優れる
  • デメリット:他の生地に比べ、デザイン性が少し劣る

 

日本国産のスーツ生地は、比較的に低価格でお求めやすく人気があります。

「安いから海外の生地よりも品質が悪いんじゃないですか?」

と質問されることも多いのですが、日本が誇る「国産」のスーツ生地の品質が悪いはずがありません。

国産のスーツ生地はポリエステルやウールの配合率を季節によって変えたり、デザイン性よりも機能性重視の優れた生地が多いのが特徴です。

着心地の良さや、コストパフォーマンスを求める方に人気のスーツ生地です。

多彩な色柄で大人気の「イタリア産」スーツ生地

出典:https://manofmany.com/

  • メリット:柄のバリエーションが豊富、生地が薄く肌触りと着心地が良い
  • デメリット:耐久性が劣る

 

「良いスーツ生地と言えば、イタリア産!」と言われるくらいダントツで大人気の生地です。

生地が薄いため着心地が良くしなやかなスーツに仕上がります。

色柄が多彩なため、好みの生地を選びやすく日本人に合うスーツを作りやすいという特徴があります。

素材が柔らかいので、身体のラインが出やすくなります。

しかし、生地が薄いため他の生地に比べると耐久性が少し劣ります。

耐久性に優れたスーツ発祥の地「イギリス産」のスーツ生地

出典:http://weheartit.com/

  • メリット:高耐久でシワになりにくい、復元力に優れる
  • デメリット:生地に硬さを感じ、やや重たい印象になる

 

他の生地に比べて耐久力が優れ、シワができにくいのが特徴です。

スーツをハードに使用される方や、外回りが多い営業の方に人気のスーツ生地です。

イタリア産のスーツ生地が「しなやかさ」が特徴ですが、イギリス産のスーツ生地は反対の「重厚感」があるのが特徴です。

生地に硬さを感じるので、イタリア産のしなやかな薄い生地と比べると多少動き辛さを感じるかもしれません。

生地の着心地、耐久性を決める「織り糸」

わかりやすく表現すると、

  • イタリア産の生地は「柔らかい」
  • イギリス産の生地は「硬い」

これらの違いがあります。

この違いを産んでいるのが「織り糸」です。

イタリア産の生地は1本の糸で織る「単糸(タンシ)」のため柔らかくなり、イギリス産の生地は2本の糸で織る「双糸(ソウシ)」のため硬くなります。

単糸のイタリア産の生地は柔らかく、着心地が良いスーツになります。

双糸のイギリス産の生地は硬く、丈夫な長持ちのスーツになります。

生地の価格を決める3つの要素

生地の価格を決めるのは

  1. 繊維の細さ
  2. ウールの割合、産地
  3. 繊維の種類

これら3つの要素です。

それぞれを解説していきます。

1.繊維の細さを数字で表す「SUPER表示」

出典:https://blog-shinjuku.takashimaya.co.jp/

生地を構成する「繊維の太さ」は生地の価格に大きく影響します。

生地を構成している繊維が細くなるほど、生地の価格は上昇します。

細い繊維で作られている生地は高級生地となり、太い繊維で作られている生地はお求めやすい生地となります。

生地の繊維の太さは「SUPER」と表示されているタグの数字を見ると確認ができます。

一般的には、数字が大きいほど生地の繊維が細くなり、価格は高くなります。

「SUPER100」と「SUPER120」この2つの生地がある場合、「SUPER120」と表示されたほうが繊維が細く価格が高い生地です。

繊維が細ければ細いほど、肌触りが良くなり着心地が良いスーツになります。

ただし、生地の繊維が細くなればなるほど生地の耐久性は下がりシワになりやすくなっていきます。

スーツに「着心地」と「耐久性」の両方を求めるのなら、SUPER100~120で表示されている生地が適しています。

※この表示は天然繊維100%で作られた場合のみ表示されますが、細さが違う糸を組み合わせて生地を織っている場合は、SUPER表示がありません。

2.ウールの割合、産地、品質

出典:https://www.dormeuil.com/

生地を構成するウールの割合によっても価格が変わります。

ウール100%の生地が最も高価で、ウール50%ポリエステル50%など化学繊維と混紡されると価格は安くなります。

ウール100%の生地の方が手触りも良く、着心地が良い高価なスーツになります。

ポリエステルなどの化学繊維との混紡はコストの面だけでは無く、生地のコントラストを鮮明にしたり、生地の耐久性を上げるなどのメリットがあります。

またウールの質によっても価格は変わります。

ニュージーランド産、オーストラリア産のウールは高級羊毛と言われ高価になります。

3.繊維の種類

ウール以外にも、生地を構成している繊維の種類によっても価格は変わります。

カシミア

出典:http://blog.livedoor.jp/

ユニクロなどのファストファッション業界でもカシミアを使ったセーターが人気なので知っている方も多いのでは無いでしょうか?

ウールよりも繊維がさらに細いため柔らかく、光沢があり、肌触りがいいのが特徴です。

また、保温力にも優れています。

「繊維の宝石」と言われるほど高級な繊維ですが、その繊維の細さから耐久性が低くデリケートなので扱いが難しい素材でもあります。

ポリエステル

出典:http://www.doppelganger-sports.jp/

ほとんどの服で使用されている化学繊維の素材です。

圧倒的な耐久性やシワになりにくいという特徴がありますが、最も優れているのがコストが抑えられる面です。

一方で静電気が起こりやすい、毛玉になりやすい、熱がこもりやすいといったデメリットもあります。

モヘア

出典:http://blog.livedoor.jp/

あまり聞き慣れないかもしれませんが、ウールの倍以上の吸湿性があり、熱がこもりにくいので、夏物衣料の素材として使われています。

また、光沢が強いのでラグジュアリー感が出ます。

やや耐久性に劣るというデメリットがあるので、ウールと混紡されることが多いです。

良い生地、良いスーツを見分ける5つの方法

先程までの内容で、生地について最低限抑えておきたいポイントを理解できたと思います。

ここからは、実際に店舗に行った際の「生地とスーツの選び方」について解説していきます。

店舗に足を運べば実際に近くで見たり、触ったり、試着して着心地を確認することができます。

以下の5つの項目をチェックすれば良いスーツを自分で選ぶことができます。

スーツのタグを見る

出典:http://blog.livedoor.jp/

スーツのタグを見ると

  1. 生地のブランド
  2. 生地の品質

これらの2つの情報が確認できます。

また、この記事で書いている予備知識があれば、タグからある程度の情報を読み取れるようになれるのでしっかりとタグを確認しましょう。

シワの戻りをチェックする

出典:https://www.global-style.jp/

スーツの袖を引っ張ってシワがすぐ戻るか?を確認しましょう。

シワができにくいスーツは普段使いはもちろんですが、出張時にも使いやすいスーツと言えます。

良い生地で作られたスーツは「復元力」に優れているので、シワがすぐに戻れば良いスーツだと言えます。

近年は、生地の織り方や素材を見直し、復元力に特化した「シワになりにくいスーツ」が様々なブランドから発表されています。

ほとんどの場合、ウールにポリエステルが混紡されている生地が使用されています。

柔らかさをチェックする

出典:http://blog.t-katsura.com/

シワの戻りを確認する際に、生地の柔らかさもチェックします。

ソフトな感触で柔らかさを感じるなら良い生地であると言えます。

前述の通り、このような生地で作られているスーツは着心地が良いので、実際に着用して確かめましょう。

光沢を目で見てチェックする

出典:http://blog.t-katsura.com/

生地の光沢(輝き)を目で見て確認します。

光沢が強いスーツは、高級感とラグジュアリーな雰囲気を強く出すことができます。

職種によっては、あまりに光沢が強いスーツだと普段使いに向かないことがありますので注意しましょう。

困ったら天然繊維100%を選ぶ

こちらは奥の手ですが、どうしても決まらないときはポリエステルなどの化学繊維を混紡された生地ではなく、ウールなどの天然繊維100%の生地を選ぶと間違いがありません。

前述したように、混紡された生地でも高価で品質が良い場合もあり、混紡が悪いとは言えません。

しかし多くの場合、天然繊維100%の生地は着心地や光沢があり満足感が高くなりやすいです。

生地にこだわるなら選ぶべきスーツブランド3選

ここまでで、初心者の方でも良いスーツ生地について自分である程度の判断ができるようになってきたかと思います。

しかし、実際に足を運ぶ店舗によっては良い生地を取り扱っていなかったり、店員さんの質によっては本来の自分が求めている物を読み取ってくれなかったりということも考えられます。

ここでは、生地にこだわるならオススメしたいスーツブランドを紹介致します。

Re:muse(前ブランド名:muse style lab)

出典:http://musestylelab.com/

男女問わず多くの人から支持され続ける六本木の名店「Re:muse」

スタッフはテーラー含め全て女性のため、男性はもちろんですが女性の体型に合ったスーツ作りのノウハウも確立されています。

こちらのページ」には、スーツをオーダーされたお客様からの声が多数掲載されています。

また、一般的なオーダースーツ店と比べて、50箇所以上多く補正を行うため、Re:museでしか体験できない体に吸い付くようにフィットする誰もが満足できるスーツを仕上げることが可能です。

ボタンや裏地などのオプションも無料で選べるため、コストパフォーマンスの高さも魅力です。

Re:museの詳細

価格:135,000(税抜)〜
納期:約6週間〜(別途料金5,000円で1週間~2週間程度の短縮も可能)
工場:国内縫製(最高峰の三ツ星認定授与)
方式:フルオーダー
公式HPhttp://www.musestylelab.com/
アクセス東京都港区六本木5-2-1 望月ビルB1~3F

麻布テーラー

出典:http://www.azabutailor.com/

各シーズン約3000種類の生地を取り扱っており、高級な生地を使っても一着約60000円からと手頃な価格でオーダーができるのが麻布テーラーです。

ボタンの種類を選べたり、ジャケットの裏地などを選べるオプションが多く多くの選択肢から自分だけの一着を作ることが可能です。

浦和レッズのオフィシャルパートナーとして遠征時などのスーツの提供をしていることでも有名です。

麻布テーラーの詳細

価格:37000円(税抜)〜
納期:約4~5週間
工場:国内縫製
方式:パターンオーダー
公式HPhttp://www.azabutailor.com/
アクセスhttp://www.azabutailor.com/shop/

 

UNIVERSAL LAUNGUAGE MEASURE'S

出典:https://www.uktsc.com/

こちらはセレクトショップ「ユニバーサルランゲージ」発のオーダースーツ専門店です。

イタリア、イギリス、国内で厳選したメーカーの生地を取り揃えています。

300以上の工程を経て誕生するオーダースーツは手作業で仕上げられていますが、すべてのプロセスを最適化し、約3週間という世界最速クラスでオーダースーツを仕上げることを可能にしました。

また、一度実店舗に来店すると使用可能になる最新システムの「バーチャルフィッティングアバターシステム」を使えば、生地サンプルではイメージが湧きにくい方でもバーチャル空間で何度も何着でも短時間で試着することができます。

UNIVERSAL LAUNGUAGE MEASURE'Sの詳細

価格:39000円(税抜)〜
納期:約3週間
工場:国内縫製(最高峰の三ツ星認定授与)
方式:パターンオーダー
公式HPhttps://www.uktsc.com/custom-order/
アクセスhttps://www.uktsc.com/custom-order/page/shop-list.html

 

オススメするスーツ生地ブランド4選

ここまで読むと、良い生地についてご理解いただけたと思います。

ここからは、良質な生地を生み出し続けているオススメの生地ブランドを紹介致します。

エルメネジルド・ゼニア(Ermenegildo Zegna)

公式サイト:https://www.zegna.jp/jp-ja/home.html

最初にご紹介するのが、世界的に有名なイタリアの高級生地ブランド「エルメネジルド・ゼニア」です。

世界の高級生地の1/3のシェアを占めており、最も有名なブランドです。

エルメスやアルマーニといった高級ブランドがゼニアの生地を採用しており、ゼニアもスーツを手掛けています。

ゼニアの生地は、レーベルで分けられています。

  • 耐久性が高い定番の「エレクタ」
  • シワを戻す復元力に優れる「トラベラー」
  • 柔らかさと軽さに特化した「トロフェオ」

この他にも特徴を持ったレーベルがあり、年代を問わず幅広い世代のビジネスマンから支持されています。

青いタグは「既製品の生地」、赤いタグは「オーダー用の生地」となりますので、赤いタグのスーツを着ている方はスーツにこだわっている方と言っていいでしょう。

渡辺謙さんや堺正章さんなどの有名人や、海外の王室などセレブの間でもゼニアが愛されています。

ロロピアーナ(LORO PIANA)

公式サイト:https://www.loropiana.com/en/

先程紹介したゼニアと並ぶ、イタリアの高級生地ブランドがロロピアーナです。

ロロピアーナは最高の製品を生み出すために、原材料の確保に力を入れているブランドです。

生地にはメリルウールを贅沢に使い、細い糸で仕上げられています。

キートン、ブリオーニという高級スーツブランドで生地が採用されています。

厳選された材料で作られた生地は風合いが柔らかく、高貴で上品な色気を漂わせることから「女性的な生地」と表現されることもあります。

女性からだけでは無く、男性からも支持を集めており人気のある生地ブランドです。

ロロピアーナについては、下記の記事で詳しく解説しています。

カノニコ(CANONICO)

公式サイト:https://vitalebarberiscanonico.com/

こちらも世界的に有名なイタリアの名門メーカーです。

イタリア生地の特徴である軽い着心地とソフトなフィット感を存分に味わえるので、ビジネスマンをはじめ幅広い世代に親しまれています。

また、品質が高いのにお求めやすい価格帯であり、コストパフォーマンスに優れているのも特徴です。

ホーランド&シェリー(HOLLAND&SHERRY)

公式サイト:http://www.m-int.co.jp/

耐久性のあるシワになりにくいのが特徴のイギリスの生地の中でオススメのブランドは「ホーランド&シェリー」です。

170年の長い伝統があり、現在では世界50カ国で販売展開をしているブランドです。

パリのオートクチュールハウスをはじめ、高級衣料メーカーに生地が採用されています。

ホーランド&シェリーといえば「ドブクロス」いうホーランド&シェリーしか扱えない生地です。

ドブクロスは低速の織り機で仕上げられた生地で一日で0.8反(1反は約50メートル)しか織れない貴重な生地です。

昔ながらの低速で織られた生地は複雑な組織の生地を織ることができ、素材の特徴を最大限に活かせるという特徴を持ちます。

ミユキテックス(MIYUKITEX/御幸毛織)

公式サイト:http://www.miyukikeori.co.jp/index.html

1905年に名古屋で創業した毛織物メーカーです。

オーダー用毛織物メーカーとしては国内トップシェアを誇っています。

牧場の羊の生産から紡績、整織、仕上げまで全て自社で一貫製造しています。

手にしやすい価格と多彩な色柄が特徴です。

さいごに

いかがでしたでしょうか?

良い生地で作られたスーツは、見た目、触った感触、着心地の3つで判断できます。

自分がどういったスーツを作りたいのか?わからなければ店員さんと相談しながらでもいいですし、自分で考えてスーツ生地を選んでスーツをオーダーするのもいいでしょう。

今回の記事を参考にしていただければ、今まで生地について全くわからなかった方でも店員さんにわからない部分を補助してもらいながらであれば、必ず自分の理想とする生地を選ぶことができます。

産地やブランドによって、色々な特徴があるので自分が求める特徴をもった生地でスーツを仕立てることをオススメいたします。


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吉岡 要

吉岡 要

大手のアパレル会社で紳士服の販売員としてキャリアをスタート。 新卒の販売実績でも全国3位と実績をあげる。 販売員を経て、本社でメンズECサイトの運営・制作の責任者として勤務。 常時2〜3のメンズブランドのスタイリングを担当。 ファストファッションからドメスティクブランドまで幅広くスタイリングできるのが強み。 メンズだけでなく、レディースのブランドもカッコよく着こなすスタイリングなどに定評があります。

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